特徴及び用途
WEL 309 は24Cr-13Niの組成を有するオーステナイト系ステンレス鋼被覆アー
ク溶接棒で、SUS 309S、13Cr鋼、18Cr鋼などの溶接に使用されます。クロム、ニッ
ケルの含有量が高いことから、炭素鋼や低合金鋼母材からの希釈を受けても溶
接金属は安定したオーステナイト組織が得られるので、耐割れ性に優れていま
す。ステンレスクラッド鋼の初層溶接やライニング溶接、ステンレス鋼と炭素
鋼や低合金鋼との異材溶接にも適します。
作 業 注 意
1. 原則として予熱は行わず、パス間温度は150℃以下にして下さい。
2. 溶接棒の再乾燥は200~250℃で1時間くらい行って下さい。
溶着金属の化学成分の一例(%)
C Si Mn Ni Cr
ES309 ≦0.15 ≦1.00 0.5~2.5 12.0~14.0 22.0~25.0
製 品 0.06 0.53 1.64 13.77 24.36
溶着金属の機械的性質の一例
引張強さ MPa 0.2%耐力 MPa 伸び %
ES309 ≧550 ─ ≧25
製 品 567 464 39
溶接電流値(AC & DC 棒 ⊕ )
棒径(mm) 1.6 2.0 2.6 3.2 4.0 5.0 6.0
棒長(mm) 250 250 300 350 350 350 350
電流範囲
(A)
下向 30~45 35~60 55~80 70~120 100~150 150~220 170~230
立向
上向 25~40 30~50 50~70 65~105 85~135 ─ ─
フラックス系統:ライムチタニア型
識別色
端面:黒
溶 接 姿 勢:全 姿 勢 側面:─